Apr. 03, 2023

水だけを用いたキチンの精製と材料化
(Glycoforum. 2023 Vol.26 (2), A5)
DOI: https://doi.org/10.32285/glycoforum.26A5J

長田 光正

長田 光正

氏名:長田 光正
信州大学 繊維学部 化学・材料学科 准教授
2005年 東北大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程修了 博士(工学)、2005年 産業技術総合研究所 特別研究員、2006年 一関工業高等専門学校 助教、2007年 アメリカ・ミシガン大学 在外研究員、2011年 一関工業高等専門学校 准教授、2014年 信州大学 准教授
現在、水を利用したバイオマス基材の材料合成に従事。日本キチンキトサン学会奨励賞(2017)を受賞。

はじめに

水だけを用いたキチンの分離精製や材料化の技術を紹介する。温度や圧力を制御した水を反応場とすることで、水の物性をコントロールし、従来の化学産業で多用されてきた酸・塩基や有機溶媒を使わないキチンの利用を提案する。

2. 水だけを用いたキチンの有効活用

キチン分野に限らず20世紀から続く化学産業では、酸・塩基および有機溶媒を利用して、様々な化学物質の分離精製や材料への変換が行われている。化石資源が大量かつ安価に手に入る現在では成り立つ仕組みであるが、将来、化石資源が現在のように手に入らなくなった際には、酸・塩基や有機溶媒の利用コストの高騰も予想される。また化石資源に依存しなければ成り立たない化学プロセスは、本質的には持続可能な仕組みとは言えない。21世紀初頭を生きる研究者および技術者は、先人たちがこれまで築き上げてきた技術を元にしつつ、未来永劫に渡って持続的に使うことができる技術を開発し、それに移行していく使命がある。その答えの1つとして、化学反応場としての「水」の利用があると考えている。

キチン分野でも、分離精製や変換の技術をより低環境負荷な方法へ見直すことが求められる可能性がある。我々は、将来、化学産業のあり方が見直された際にも使い続けられるキチンの分離精製や変換技術を、今のうちから開発しておく必要があると考え、これらの技術の見直しを行ってきた。

キチンは自然界に単独で存在するわけではなく、タンパク質や灰分とともに存在している。そのためキチンの分離精製には、タンパク質や灰分を除去する必要があるとされている。現在は、キチン精製の過程で酸・塩基が使用されているが、将来的にはこれらの使用量の低減あるいは全く使用しない手法の開発も求められると考えている。また、従来のようにキチンの利用だけに注目するのではなく、今後はキチン以外の成分も同時に有効活用することが重要である。さらにキチンの精製後に、様々な機能性材料に変換する際にもできるだけ環境負荷の小さい手法を用いることが求められる。これらの点は、現在はそれほど問題視されていないが、中長期的には解決すべき課題になると想定している。これらの問題の解決策として、我々は「水だけを用いたキチンの精製や材料化」に関する研究を行ってきた(図 11, 2

図1
図 1.水だけを用いたキチンの分離精製と材料化(文献1, 2より写真を引用)

3. 高温高圧水(水熱処理)とは? 3, 4

水は地球上に豊富に存在し、環境負荷の小さな物質である。しかし、化学反応の溶媒として見た場合、常温常圧下での水の物性は限られているため、水単独では有効な反応場とは見なされてこなかった。だが、高温高圧下(温度100–300 ºC、圧力0.1–1.5 MPa)など特殊な条件の水を反応場とすることで、後述するようにキチンの分離精製や材料への変換を行うことができる。

図 2に、(a)水の相図、(b)誘電率、および(c)イオン積の温度依存性を示す。水を含め、物質は温度および圧力条件により、固体-液体-気体の3つの状態をとる。水の場合、0.1 MPa(常圧、約1気圧)では100ºCで沸騰して液体から気体になる。この液体と気体が共存する温度である沸点は、圧力の増大とともに高温となり、その上限が臨界点である。本稿では、100ºC以上かつ飽和蒸気圧以上の水を「高温高圧水」とする。

水の誘電率は、常温・常圧(25ºC、0.1 MPa)では分子間に水素結合を形成し、78という大きな値を示す。温度上昇とともに水分子の運動が激しくなると、液相の水分子間の水素結合が弱化し、それとともに誘電率も低下する。250ºCの水の誘電率は27であり、エタノールと同程度である。この誘電率の変化により、常温・常圧の水に溶解しない有機化合物でも溶解させることが可能である。

水のイオン積は、常温・常圧(25ºC、0.1 MPa)ではKw = [H+][OH] = 10−14 mol2 kg−2 (すなわち中性のpH=7)である。イオン積は温度によって複雑に変化する(圧力25 MPa一定下)。水の解離は、250ºC辺りまでは温度の上昇とともに促進される。250ºC以上になると圧力一定下では水の密度が低下して、水分子同士の距離が遠くなるため解離が抑制され、イオン積は減少する。このように温度と圧力を変えることで、[H+]や[OH]の濃度を制御できるため、酸・塩基触媒が存在しなくても、各種有機反応が進行する。

高温高圧の反応場を得ることはエネルギーを必要とするが、近年、エネルギー分野については大規模な太陽光発電などの構築が進みつつある。それら再生可能エネルギーを使えば、高温高圧の水を用いた化学プロセスは持続的に運用できると考えている。

図2
図 2. 水の(a) 相図、(b) 誘電率、(c) イオン積

4. キチンの結晶構造

キチンは結晶構造の違いによりαキチンとβキチンの2種類に分けられる。αキチンは甲殻類(カニやエビ)や昆虫の外骨格、真菌類(キノコや酵母)の細胞壁に存在し、賦存量が多い。隣り合ったαキチン高分子の還元末端は反対側に存在し、高分子が逆平行に配列している5。また分子内、分子間水素結合が多く、熱力学的に安定な結晶構造である。一方で、βキチンはイカ中骨、ハオリムシの棲管、珪藻などに存在している。隣り合ったβキチン高分子の還元末端は一方向に揃っており、高分子が平行に配列している。ここで糖のピラノース構造を面と考えたとき、その積層方向には分子間水素結合が存在するが、隣接方向には分子間水素結合が存在せず、βキチンは熱力学的に準安定な結晶構造である6

5. 高温高圧水処理によるキチンの精製 1

図 1に示したように、イカの中骨(腱)にはβキチン(30 wt%)、タンパク質(70 wt%)および灰分(1 wt%以下)が含まれている。イカ中骨を高温高圧水(150–250ºC、30–120 min)で処理することで、イカ中骨の試料重量が約30 wt%まで減少し、その後一定となることがわかった。得られた白色の固体の残渣のX線回折や赤外分光による分析から、βキチンであることが確認できた。また高温高圧処理後の常温の水溶液中には、タンパク質が加水分解され、低分子量の水溶性ペプチドとして溶解していることも確認できた。この水溶性ペプチドには血圧降下作用があり、キチンだけでなくタンパク質も有効活用が可能である。

6. 湿式解繊によるキチンのナノファイバー化 1

上記の白色の固体として得られたβキチンの固体をウォータージェット解繊により、濃度1 wt%のナノファイバー分散液にした(図 1)。透過率を測定したところ、従来の酸・アルカリを用いて精製したナノファイバー分散液と大きな差は見られなかった7–11。また電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)による観察でも、ナノファイバー径などの形状に大きな違いは見られなかった。

7. キチンナノファイバーの水熱ゲル化によるハイドロゲル調製 2

キチンナノファイバーが水に分散した液は流動性があり、形状を維持できない。医療材料などへの応用を考えた場合、形状を維持できる機械的強度を持ったハイドロゲルへの変換も求められる。一般的なキチンのハイドロゲル化法として、化学的架橋、アルカリへの浸漬、溶液からの再析出など、化学的処理が報告されている12。しかし、これら第3成分の添加や利用は医療材料としての応用を考えた場合、予期せぬ副作用を引き起こす可能性がある。

これに対して、水だけを用いたハイドロゲル化の方法として、高温高圧下で処理する「水熱ゲル化」がある(図 12。上記の湿式解繊で得られたβキチンナノファイバーの分散液を、高温高圧下(160–200ºC、10–120 min)で処理することで形状を維持できる機械的強度のハイドロゲルが得られる。既往の研究でも、酸処理で得たβキチン13や硫酸セルロース14のナノファイバーの水熱ゲル化が報告されている。これら以外のナノファイバーについて、湿式解繊したαキチン2やセルロース15、さらにTEMPO酸化セルロース16でも、水熱ゲル化の進行を確認している。

またハイドロゲル以外の材料として、キチンのナノファイバー分散液を凍結乾燥することで、スポンジ材料(エアロゲル)を得ることもできる17

8. カニ殻キチンの高温高圧水前処理による酵素糖化の促進 18

上でイカ中骨からのキチンの分離精製を述べた。図 3に示すようにカニ殻でも、高温高圧水処理後にタンパク質は加水分解され、常温でも水に溶解する低分子量の水溶性ペプチドとなるが、αキチンと灰分の混合物が固体として残る。このαキチンと灰分の混合物を基質とした場合、酵素糖化が進行し、キチンのオリゴ糖が得られる。未処理のカニ殻を基質とした場合は酵素糖化が進行しないことから、高温高圧水処理は酵素反応の前処理として有効である。酵素糖化が促進された理由は、高温高圧水前処理によるキチン分子量の低下とキチン分子鎖間の水素結合の弱化によることを明らかにしている19–24

図3
図 3. カニ殻の高温高圧水処理と酵素糖化

9. 水だけを用いたキチンおよびN-アセチルグルコサミンからの含窒素化合物の合成 25–28

図 4に示すように、キチンやそれを構成する単糖であるN-アセチルグルコサミンを化学変換により有用な化合物へ変換する研究が近年世界中で行われている29–31。既往の研究においてN-アセチルグルコサミンやキチンオリゴ糖をホウ酸塩水溶液中で100ºC、2時間処理することにより、付加価値が高く医薬品原料として有用なアセトアミド基を有する化合物を合成できることが報告されている31。しかし、この研究例では触媒であるホウ酸と生成物との分離精製が必要であることが、医薬品原料として用いる場合は問題である。

そこで酸触媒を用いずに高温高圧水中でキチンやN-アセチルグルコサミンの変換反応を行い、その反応挙動を調べた。その結果、高温高圧水中では無触媒下でもキチンの加水分解や、N-アセチルグルコサミンの脱水反応が進行し、含窒素化合物が得られることがわかった。水の反応条件を変えることで、「加水分解」と「脱水反応」を切り替えられる点も、高温高圧水の特長である。

図4
図 4. 高温高圧水中でのキチンおよびN-アセチルグルコサミンからの含窒素化合物の合成

10. おわりに

本稿で紹介した水だけを用いた方法では、現在、実用化されている方法と比較して必ずしも生成物の純度や収率が高いとは言えない。一方でキチン分野に限らず化学分野全般で、20世紀から続く安価な化石資源由来の物質やエネルギーの入手を前提に、必要以上に高いスペックで製品を提供している面もあると考えている。従来は、新しい物質や製品の生産が主であったため、できる限り最高のスペックの製品を供給してきた面もある。今後、化学物質やエネルギーがこれまでのように入手できなくなった場合に備えて、化学産業全般でもう一度スペックの最適化を行う必要があると考えている。現在の最終製品(材料や化合物など)で得られている機能や性質を実現するために、これまでの原料スペックが本当に必要なのかを検討し直すことも重要である。その新たに最適化されたスペックのキチン由来の製品を作る際には、今回紹介した水だけを用いた技術が重要な役割を果たすと考えている。


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