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2. GAG糖鎖をタンパク質に導入するために有効なエンド型グリコシダーゼ
PGの基本的な構造は、コアタンパク質とGAG糖鎖から成っており、GAGはそれらの種類 (ChS, DS, HS, Hep)に関係なく、共通の橋渡し部分(GlcA-Gal-Gal-Xyl)を介してコアタンパク質のセリンと結合している。
PGのGAG糖鎖とコアタンパク質の結合部位に特異的に作用する三種類のエンド型グルコシダーゼ(エンド--キシロシダーゼ、エンド--ガラクトシダーゼ、エンド--グルクロニダーゼ)が知られている。この中で特に、エンド--キシロシダーゼはGAG糖鎖とコアタンパク質の結合部位であるXyl-Ser結合を加水分解するため、完全な形のGAG糖鎖を遊離することが可能である。したがって、本酵素はPGのGAG糖鎖分析の重要なツールとして有用である。もう一つの重要な点は、加水分解反応の逆反応、即ち、糖鎖転移反応である。供与体としてペプチドの付いたChS糖鎖、受容体としてはパラニトロフェニル(pNP)-グリセロールを用いて、糖転移活性を調べたところ、図2のように分子量40,000のChS糖鎖を受容体に転移付加させる糖転移活性を示した。更に、DSやHSも同様に転移付加させることが可能である。したがって、遺伝子工学的に産生されたGAG糖鎖欠落PGへのGAG糖鎖の復元、あるいは、天然のPGのGAG糖鎖の改変、更には、酵素的組み換えによって合成した人工GAG糖鎖付加による新しい機能性PGの合成など、今後の発展が期待される。
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References |
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Takagaki, K, Kon, A, Kawasaki, H, Nakamura, T, Tamura, S, and Endo, M: Isolation and characterization of Patinopecten mid-gud gland endo--xylosidase active on peptidochondroitin sulfate. J. Biol. Chem., 265, 854-860, 1990 |
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(2) |
Takagaki, K, Ishido, K: Synthesis of chondroitin sulfate oligosaccharides using enzymatic reconstruction. Trends. Glycosci. Glyc. 12, 295-306, 2000 |
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