中枢神経発生におけるヘパラン硫酸の役割 |
||||||||||||||
期待に反したヘパラン硫酸型プロテオグリカンノックアウトマウス |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
軸索誘導に必要なHS EXT1コンディショナルノックアウトマウスの脳には、脳梁、海馬交連、前交連の軸索誘導に著しい異常がみつかり、HSが軸索誘導に不可欠な分子であることが明らかとなった。さらにおもしろいことに、視神経は、視交叉を通過した後、通常、対側の上丘へ投射するが、そのノックアウトマウスの視神経の大半は、視交叉を通過した後、対側眼へ向かって異常な投射をした。さらにその視交叉での異常は、HS結合能をもつ軸索伸長抑制因子であるSlitタンパクによる視交叉形成にHSが関わっていることがわかった。 このようにHSは哺乳動物の中枢神経発生において、少なくとも小脳および大脳の形成、軸索誘導に不可欠な分子であることが明らかとなった。 |
||||||||||||||
稲谷 大 (大阪赤十字病院眼科) | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
2005年1月24日 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||